しかし、その内容は、あまりに感情的で、本来行うべき貧困の実態調査などは不十分なまま、制度そのものや制度利用者全般に問題があるかのごとき議論のすり替えがなされています。
そこには、財政的な思惑が透けて見える一方、非正規労働者の増加、雇用保険や年金等他の社会保障制度が極めて脆弱であること、社会保障制度を補完する機能を担ってきた家族の変化に加え、格差と貧困の拡大、それに伴い、「孤立」を余儀なくされている方が増大していること、それでも生活保護の利用率(捕捉率)は先進諸国に比べてむしろ異常に低いという事実が置きざりにされています。生活保護の問題はこのような社会のありかたの一環であり、本来は、企業や家族に頼って現役世代の充分な社会保障を行ってこなかったことが問題なのであり、生活保護だけを取り上げても、生活保護の問題の本質は分かりません。
今後、生活保護について過度に“自助”や“共助”を強調し、その対象を狭く限定する方向を打ち出すのであれば、生活保護のみならず、雇用、医療・介護や年金制度、子育て支援制度など全ての世代、つまり、国民生活全体に影響するナショナルミニマムの切り下げをもたらします。
当協議会は、一部報道に乗じた社会保障の安易・拙速な改悪を絶対に許しません。ましてや財政論先行の改正議論などもってのほかです。私たちが求めるものは、義務や強制ではなく「権利としての自立支援」であり、憲法25条で保障された生存権を守り、生活を保障する機能を強める貧困をなくす政策です。こうした趣旨から、以下のことを請願するため署名活動を行っております。一人でも多くの方のご協力を頂きたくお願い申し上げます。ナショナルミニマムの切り下げをもたらし、最後のセーフティネット である生活保護制度を底抜けにする改正を絶対に許さないこと。 財政的な都合のみを前提とした生活保護法の改正議論をやめること。 現代日本の格差と貧困の拡大に向き合った真の社会保障制度の拡充のため当事者の参加も含めた国民的議論を行うこと。
なお、署名活動に関するチラシ及び署名用紙はこちら↓からダウンロードしてご使用ください。
http://zenseishi.com/info/2012-08-10-02.html