2013/02/12

「偽装質屋」ヤミ金被害問題化

質屋の外観を整えていても実は貸金業者、そんなヤミ金でお悩みの方
ぜひご相談ください。

「偽装質屋」が問題化 
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kumamoto/news/20130209-OYT8T01409.htm

 上限年利109・5%の高金利で金を貸すことができる質屋を装って貸金業を違法に営む「偽装質屋」が、問題化している。数百円の価値の低い担保で数万円を貸す一方、返済できなくても「質流れ」を認めず、元金や利息を取り立て続ける。熊本地裁では昨年10月、熊本市内で同様の貸し付けをしたとして、県内の12人が4業者に計約720万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。(出水翔太朗)

◇違法に貸金業/金利年96%以上

 質屋は、利用者が持参してきた一定の価値のある品物を担保に金を貸す。期限内に金を返せなかった場合、「質流れ」となり、質入れした物の所有権が質屋に移ってしまう。
 これに対し、「偽装質屋」は、はさみや雑誌の付録など形だけの担保で金を借りることができる。実質は貸金業だ。
 同訴訟で原告らは、4店の「質屋」が事実上は貸金業者で、改正貸金業法が上限年利を15~20%に規制しているのに、年利96%以上で金を貸したとして損害賠償を請求。「大柄な男が自宅に取り立てに来て怖かった」、「(返済で)生活が非常に苦しかった」などと主張している。月内に10~20人が第2陣として原告に加わるという。弁護団の青山定聖弁護士は「高金利で金を貸し、搾り取る。切羽詰まった人を狙い打ちしており、許せない」と批判する。
 これに対し、被告の1人は「違法性は認識していなかった。銀行や消費者金融で金を借りられず困っている人もいるから営業していた」としている。

     ◇

 青山弁護士によると、「偽装質屋」が現れた背景には、改正貸金業法が2010年に完全施行され、上限年利が29・2%から20%に引き下げられるなどしたことがある。撤退する貸金業者が相次ぎ、一部業者が高金利で金を貸すことができる質屋に着目したという。
 質屋営業法で高金利が認められているのは、質物の鑑定に高い技術が必要なことや、質物の保管に空調などコストがかかるためだという。
 県消費生活センターに被害相談が寄せられたのは11年11月以降。「質流れが認められない」、「高金利で返済が大変」といった内容で、12年度(1月末現在)の相談件数は27件。前年度に比べて22件増えた。
 「熊本市質屋組合」(15店、小山茂組合長)にも苦情の電話が寄せられている。組合は同年9月、「このままでは(質屋が)ヤミ金の隠れみのになる」と、取り締まりや指導の強化を求める要望書を熊本北署に提出した。
 小山組合長(65)は「質屋を名乗るなら、法律を順守して本来の営業をするべきだ」と訴えている。

◇県センターに相談、民事訴訟も

 「偽装質屋」を巡っては民事訴訟で原告が勝訴した事例があるほか、刑事事件も起きている。
 昨年11月には大分県警が、北九州市の質屋の経営者ら3人を出資法違反(超高金利受領)と貸金業法違反(無登録営業)容疑で逮捕。今年1月には、年金を担保に取られた福岡市の女性が質屋などを訴えた損害賠償訴訟で、福岡簡裁が約69万円の支払いを命じた。
 熊本県警生活環境課は「あらゆる法令を適用して取り締まる」としたうえで、「悪質な業者に金を借りず、経済的に困ったら公的機関などに相談してほしい」と呼び掛けている。
 県は、多重債務者の立ち直りを図る事業を「グリーンコープ生協くまもと」に委託。同生協は収入や支出、負債状況などを確認しながら債務整理や就業についてアドバイスする。また債務整理を始めたか、終えた人には「生活再生貸付金」(年利9・5%)も用意している。
 同生協は「早めの相談が解決の糸口になる。被害が拡大する前に相談してもらいたい」と話している。問い合わせはグリーンコープ生活再生相談室(096・243・2100)へ。